小児歯科とは
小児歯科は、乳幼児から中学生頃までのお子さんのお口の健康を守る診療分野です。乳歯の虫歯治療・予防処置(フッ素塗布・シーラント)・定期検診に加え、永久歯への生え変わりの確認や噛み合わせのチェックも行います。
「まだ乳歯だから虫歯になっても大丈夫」と思われている方も少なくありませんが、乳歯は永久歯が正しく生えるための道筋を作る重要な存在です。乳歯の健康が、永久歯の健康の土台になります。
乳歯が大切な理由
- 永久歯が生えてくる場所・方向を確保する役割がある
- 乳歯の虫歯を放置すると、下にある永久歯の形成・萌出に影響することがある
- 噛む機能・顎の発育・発音にも乳歯の状態が影響する
- 乳歯の虫歯菌は隣の歯・永久歯にも感染する
子どもの虫歯の原因と予防
虫歯菌はどこから来る?
赤ちゃんは生まれた時点では虫歯菌(主にミュータンス菌)を持っていません。虫歯の原因菌は、食器の共有・キス・口移しなど保護者からの感染が主な経路です。
感染を完全に防ぐことは難しいですが、保護者自身の口腔内の虫歯菌を減らすこと(毎日の丁寧なブラッシング・定期メンテナンス)が、お子さんへの感染予防につながります。妊娠中から口腔内を清潔に保つことも大切です。
子どもが虫歯になりやすい時期
生え途中の永久歯(幼若永久歯)は歯の表面がまだ十分に硬化していないため、成熟した歯に比べて虫歯になりやすい状態です。フッ素塗布などでしっかり歯を強化することが重要です。
当院でできる小児歯科の処置
① フッ素塗布
歯のエナメル質をフッ素で強化し、虫歯菌が作る酸に溶けにくくします。歯科医院でのフッ素塗布は市販のフッ素歯磨き粉より高濃度のため、予防効果が高く、3〜6ヶ月ごとの定期塗布をお勧めしています。
※塗布後30分程度は飲食・うがいを控えていただくとより効果的です。
② シーラント
奥歯の溝は歯ブラシの毛先が届きにくく、虫歯が発生しやすい場所です。シーラントは、その溝を樹脂(プラスチック)でふさぐ予防処置です。歯を削らずに行えるため、お子さんへの負担もありません。
③ 虫歯治療
虫歯の状態に応じて、感染した部分を取り除き、樹脂や金属で補填する治療を行います。神経まで達した場合は神経の治療が必要になることもあります。お子さんの怖さや不安に配慮しながら、できる限りやさしく丁寧に進めます。
④ ブラッシング指導
お子さん自身の磨き方だけでなく、保護者の方向けに「仕上げ磨き」のコツや使いやすい歯ブラシの選び方もご案内します。
歯が生える時期の目安
| 時期 | 内容 |
| 生後6〜9ヶ月 | 下の前歯が生えてくる |
| 生後9〜10ヶ月 | 上の前歯が生えてくる |
| 生後11ヶ月〜1歳頃 | 上下4本ずつに増える |
| 1歳2ヶ月〜1歳6ヶ月 | 第一乳臼歯(奥歯)が生える |
| 1歳9ヶ月〜2歳頃 | 犬歯が生える |
| 2歳6ヶ月頃 | 第二乳臼歯が生えて乳歯列が完成 |
| 6歳頃 | 最初の永久歯(第一大臼歯・六歳臼歯)が生える |
赤ちゃんの歯磨きの始め方
いつから始める?
歯が生える前から口の中に、慣れる練習をしておくとスムーズです。授乳後にガーゼを指に巻いて口の中を拭う習慣をつけておくと、歯磨きへの抵抗感が少なくなります。
歯ブラシの選び方
赤ちゃん用の歯ブラシは、ヘッドが小さめ(歯2本分ほどの幅)のものを選びます。保護者の仕上げ磨き用には、柄が長くて扱いやすいタイプが便利です。
歯磨きを嫌がらせないためのコツ
歯磨きを義務として強制すると、子どもが歯磨き自体を嫌いになってしまうことがあります。まずは楽しい雰囲気を作ること・短い時間から慣れさせること・仕上げ磨きを「特別な時間」として演出することが大切です。
子どもが歯医者を怖がらないために
当院では、初回から無理に治療を進めることはしません。最初は院内の雰囲気に慣れるだけ、次は口を開けてみるだけ、という段階を踏みながら進めます。歯医者を「怖い場所」ではなく「安心できる場所」と感じてもらうことが、長期的な口腔健康管理への第一歩です。
保護者の方も診療室に一緒に入っていただけます。お子さんのペースに合わせて丁寧に対応しますので、まずはお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. 何歳から歯医者に連れて行けばいいですか?
最初の乳歯が生えたらご来院いただけます。「虫歯になってから」ではなく、歯が生えたタイミングで定期的に通い始めることが理想です。
Q. 乳歯の虫歯は治療しなくていいですか?
乳歯の虫歯を放置すると、永久歯の形成・萌出に影響することがあります。また、虫歯菌は隣の歯にも広がっていきます。早めに受診して状態を確認することをお勧めします。
Q. 子どもが治療を怖がっています。
無理に治療は進めません。まずは慣れることから始めます。お子さんの状態・気持ちに合わせて段階的に進めますので、まずはご来院ください。
お子さんの歯のご相談はお気軽に
「検診だけ」「フッ素塗布だけ」「歯医者に慣れさせたい」という目的でも、ぜひご来院ください。